凍結工事をより確実に短時間で完了させる方法はありますか?
弊社では『より確実に安全に』施工を完了させるため、日々業務改善に努めております。
凍結工事は配管の外面を液体窒素に浸して冷却していくため、より確実により短時間で凍結を完了させるためには、熱交換効率を上げる必要があります。
そこで株式会社最上インクス様より技術協力を得まして、凍結工事専用の熱交換効率向上を目的としたフィンを開発して頂きました。
熱交換効率を上げたフィン
配管にフィンを巻き付けます。 配管側面のイメージ図
配管にフィンを取付後、凍結容器をセットし液体窒素に浸漬します。
配管の熱を放出させると共に、液体窒素の冷却熱を効率よく配管の中に入れることができます。
株式会社最上インクス様の技術提供により特注で製作して頂いた、凍結工法用の熱交換フィンです。
SGP100Aに二つ取り付けます。
凍結容器をセットします。
フィンがある分、凍結容器は横長(流水方向と直交する方向)になってしまいますが、縦方向(配管内の流水方向)は通常の凍結容器と同じ長さです。
上の容器は通常の100Aを凍結させる際に使用する凍結容器です。
これを踏まえて凍結施工をしてみます。
通常通り液体窒素を注入し、凍結していきます。
窒素の白煙と沸騰が収まり、通常通り凍結完了しました。
やはりフィンをつけている分、熱交換効率が良く、通常23分(水温20℃)のところ、今回は13分で凍結完了しました。
凍る速さは大幅に改善しましたが、それ以外は特に変化は認められませんでした。
つづいて、より凍りにくい塩ビライニング鋼管でも試してみます。
今回特徴的だったのは、『フィンあり』ではドーナツ状に氷が成長したことです。
また凍結時間については『フィンなし』では55分(水温20℃)かかったのに対し、フィンありでは35分でした。
『フィンなし』の場合の氷の成長の仕方は以下の写真の通りです。
凍結開始10分 20分
3 0分 40分
50分 60分
フィンがない場合は氷が下から成長するのに対し、フィンありはドーナツ状に成長しました。
フィンを取り付けることで冷却効果が高まることが分かりました。
これらの結果をもとに、SGP-400Aで効果を検証します。
配管にフィンを取り付けた状態です。
凍結容器を取り付けた状態です。
あとは通常通り、液体窒素を注入していきます。
通常、400Aの配管は凍結が完了するまで約5時間かかりますが、フィンを取り付けたことにより、熱交換が大幅に改善され、3.5時間で凍結が完了しました。
温水配管などでも効果が発揮できそうです。
更にデータを集めて参ります。