5㎝離して2カ所凍結施工した場合、配管内の圧力はどうなりますか?
埼玉県内の某自治体の水道課のご担当者様よりご質問を頂きました。
下図の様に凍結容器の間を5㎝離し、凍結施工をした場合に配管内の圧力がどのようになるかとのご質問を頂きました。
早速、調べてみます。
今回、使用する配管はGX管φ100です。
凍結容器の間隔5cmに圧力計を取り付け、凍結施工を行いました。
今回テストに使用する配管です。
配管の内側は凍りやすいので、中心部分の圧力を測れるようにしました。
圧力計が取り付けてある配管内が凍ると正確に計測できないので、ドライヤーで温めておきます。
非接触式温度計による計測では、49.2℃です。
発泡スチロールが熱で溶けてしまうといけませんので、凍結容器側面にベニヤ板を貼り付けました。
凍結スタートです。
5㎝を再確認しました。
凍結による閉塞前は0.6MPaです。
19分後、圧力が上昇し始めました。
その後、上昇下降を繰り返しながら、10MPa(保証水圧)に達しました。
それからも上昇下降を繰り返しとうとう圧力計は振り切れてしまいました。
時間経過と配管内の圧力は上図の通りです。
その結果、圧力計は壊れてしまいました。
リベンジということで、今回は60MPa計を使って調べてみます。
ドライヤーで枝管を温め、42℃であることを確認しました。
開始から19分が経過したところで、圧力が上昇し始めました。
その5分後、10MPa(保証水圧)を超えました。
枝管内が凍っていないことも確認済。
配管内圧力が40MPaで圧力上昇は止まりました。
この時点での枝管の温度は10℃でした。
その後、枝管取り付け部分にようやく霜が付きだしました。
枝管内部が凍結し始めたと判断し、中止としました。
圧力測定結果は上図の通りです。
圧力計は40MPaまで上昇しました。
ダクタイル鉄管管路配管設計標準マニュアルによりますと、設計圧力は 設計水圧(1.3MPa)=静水圧(0.75MPa)+水撃圧(0.55MPa) またφ100の場合の保証水圧は管の破壊水圧の70%とし、最高10.0MPaである。 |
との記載があります。
今回の検証事例を日本鋳鉄管協会様にといあわせたところ、このような施工をする場合は設計水圧1.3MPa以下になるように。
決して保証水圧を基準に考えないようにとのご助言を頂きました。
株式会社ソエダでは配管内の圧力上昇により配管が割れるてしまうことがないよう、安全施工を第一に、ダクタイル鋳鉄管の凍結施工は1.3MPa以下で施工するように安全基準を設けております。
いいかげんな大学教授にはご注意あれ。