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液体窒素を車で運搬する際、酸欠の危険性はありますか?

超低温である液体窒素を運搬する場合、断熱二重構造になった魔法瓶を使用します。

この魔法瓶は外部からの温度を完全に断熱することができません。

そのため魔法瓶の蓋は密閉状態とせず、容器の口部分に乗せてあるだけです。

このため、常に微量ではありますが窒素が蒸発し続けています。

酸欠により運転手が意識を失い交通事故又は、運転手自身の死亡事故は未然に防がなければなりません。

そこで、工事に施工現場に液体窒素を運搬する際、運転手は酸欠にならないのかを検証しました。

1BOX車に液体窒素を50L、魔法瓶に詰めたものを12本乗せ、

更に空調を、左から「外気取入れ」、「内気循環」、「送風停止(無風)」状態とします。

10:00より計測開始します。

それぞれ16:00までの車内の温度、酸素濃度を計測しました。

 

外気取入れ ファン設定2

 

 

内気循環 ファン設定②

 

 

空調停止(無風)状態

 

 

結果は以下の通りです。

「外気取入れ」の車内では酸素濃度は殆ど変化ありませんでしたが、「内気循環」、「送風停止(無風)」については徐々に酸素濃度が低下していきました。

次に送風を停止し、「運転席及び助手席側の窓を3㎝開けた状態」と「窓を閉めた状態」の2通りで同様に酸素濃度を計測しました。

上記試験と同日18:00計測開始です。

窓を3㎝開けた状態

窓を閉めた状態

 

結果は以下の通りです。

車内の酸素濃度は「窓を3㎝開けた状態」では、酸素濃度低下はなかったのに対し、「窓を閉めた状態」では低下することが分かりました。

また気温上昇とともに酸素濃度に変化があるのは、車内の密閉状態が高くないため、外気の風などによる影響と考えています。

「窓を開けた状態」と「閉めた状態」では車内温度にほとんど差はありませんでした。

そこで「窓を閉めた状態」の車の扉を開けた場合、どの程度で酸素濃度が回復するかを検証しました。

換気前の状態(酸素濃度18.5%)です。

 

運転席側の扉と、スライドドアを開けて換気しました。

 

すると、10秒ほどで酸素濃度は20.9%まで回復しました。

結論

・液体窒素を1BOX車で運搬するときは、外気取入れ(風量2)の状態とすること。

・内気循環は絶対にしないこと。

・液体窒素を1BOX車に保管した状態で乗り込むときは、運転席側の扉及びスライドドアを開け、10秒間換気してからの乗車すること。

 

株式会社ソエダでは、以上の手順を運用しています。

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