塩ビライニング鋼管を凍結しても大丈夫ですか?(後編)
塩ビライニング鋼管は、塩ビ管がある分、配管の中に熱が伝わりにくいため、鋼管よりも凍結にかかる時間が長くなります。
凍結により塩ビ管が割れることは殆どありません。
テストポンプで圧力をかけてみました。6MPaの圧力にも耐えられました。
しかし塩ビライニング鋼管は凍結させると、伸縮率の違いから、塩ビ部分の接着が鋼管より剥離します。
塩ビ管が割れることは殆どありません。
剥離する部分は凍結容器の前後5㎝程です。
塩ビライニング鋼管から、塩ビ管が剥離する様子を見てみます。
100㎜に切断したVA管です。
液体窒素に浸けてみます。
『パキン』と剥離した音がしたら、取り出します。
接着が外れてしまいました。
そのため、短管(凍結容器とほぼ同寸法)を凍結させるとライニング鋼管の中の塩ビごと、抜けでてくることがあるので施工箇所に注意が必要です。
凍結容器350㎜に対し、450㎜のVA管を凍結させたました。
バルブを開けると、塩ビ管の接着がはがれ、水圧により塩ビ管と内部の氷が押し出されてきました。
そのため弊社の社内ルールでは、塩ビライニング鋼管は凍結容器の3倍以上の配管長の中心部分を凍結させることとしています。
100Aの場合、凍結容器は350mmですので、凍結させる配管は1,050mm必要となります。