消火配管内で空気が入っている可能性があります。大丈夫ですか?
普段、使っていない(流れがない)配管内の水(消火液を含む)を凍結させる際、管内に空気が入っていることがあります。
凍結工法は配管内の液体を凍結させることで、流れを止めるバルブの役割をします。
そのため下の模式図のように配管内に空気だまりがあると、氷で閉塞させることができません。
そのため、凍結作業開始からの時間や気化した窒素ガスの白煙の状況だけで判断し、配管を切断すると、空気だまり部分から水が噴き出してしまいます。
そのため消火配管など、普段使われていない配管を凍結する際は、縦配管での施工又は分水栓又は圧着ソケットを準備したうえ、配管に切り込みを入れ、空気抜きをしてから施工しなければいけません。
空気だまりがある配管を凍結させてみました。
配管にアクリル板を取り付け、空気がたまるように、充水しました。
凍結を開始します。
凍結開始5分後です。
凍結開始10分後です。
凍結開始15分後です。
凍結開始20分後です。
凍結開始25分後です。
凍結開始30分後です。
水部分は完全に凍りました。
更に5分後です。
通水直前の画像です。
外観から配管内に空気があることは判断つきません。
凍結個所の二次側のバルブを開け、通水しました。
空気の部分が閉塞していないので、止水できていません。
通水による配管内の温度上昇のため、液体窒素が急速に気化し、大量の白煙が出ました。
バルブを閉止しました。
やはり空気の部分は閉塞していなかったため、止水できませんでした。
次に空気だまりのある配管を凍結させた後、空気を抜く作業を行ってみます。
上述同様に凍結させます。
凍結完了の状態です。
これから凍結個所の二次側にビス穴をあけ、空気を抜きます。
実際の現場施工では、撤去してしまうところに穴をあけます。
ビス穴をあけました。
徐々に空気が抜けていきます。
空気を抜いた後の1分後の画像です。
空気がなくなったため、氷により管内が閉塞しつつあります。
空気を抜いた後の2分後です。
完全に閉塞しました。
バルブより水を抜いていきます。
完全に止水できています。
アクリル板を外します。
完全に止水が完了しています。
管内に大量に空気が存在していれば、液体窒素の沸騰の状態や配管への霜の付き方で判断できますが、空気だまりが配管の3分の1以上の場合は、判断が難しいこともあります。
必ず止水できていることを確認の上、配管を切断しなければなりません。