凍結により配管内の圧力が上昇しても大丈夫ですか?
水が氷ると体積が膨張するというのは、一般的に知られています。
今回、凍結工法をした際にどのように圧力が上昇していくかを見てみます。
SGP100Aの配管を充水し、凍結容器の間を20㎝として、凍結施工しました。
その圧力上昇を測定しました。
22分ごろ、氷が閉塞しました。それ以降27~29分にかけ、氷の形成と破壊をが発生します。
氷の成長とともに内部圧力が上昇していきます。
今回の試験では液体窒素の液面の状態から28分に凍結完了の判断をしました。
更に液体窒素を追加し続け、34分の段階で8.2MPaに達した後、4.0MPaまで落ち、その後さらに上昇し続け、41分で12.5MPaから42分で5.8MPa。
また上昇と下降を繰り返していきました。
52分以降10.5MPaで変化ありませんでした。
メーターを外してみると、メーター内の水まで凍っていたことが原因でした。
SGP管は一般的に1.0MPa以下で使用されています。
また水圧試験特性が2.5MPaと定められています。
水圧試験は使用する圧力の1.5倍で検査しますので、逆算すると通常の使用圧力限界は1.6MPaで使用することとなっています。
今回の試験では凍結施工を20㎝という直近で行った場合、最大18MPaまで上昇しました。
新品の配管を使用していたため、異常は認められませんでした。
凍結施工する場合、劣化の具合は外面から確認できませんので圧力上昇について注意が必要です。
怠りますと配管に亀裂が入る、継手からの漏水する、バルブに亀裂がはいる、メーターやパッキンが破損することも十分考えられます。
それらを防ぐため、凍結完了の判断をした時点で、配管にビス穴をあけて圧力を下げる対策が必要です。
ビス穴をあけ、圧力を低下させます。
大口径の場合、圧力メーター付き分水栓を取り付け、圧力の管理を行います。
凍結できたかどうかの判断ができること、配管内の水を抜き取る際にも有効です。