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液体空気を凍結施工で使用した場合の危険性は?

凍結工法を施工する際、一般的に液体窒素を使用します。

しかし換気の悪い坑内作業や、大口径及び給湯管など液体窒素が大量に気化し、酸欠の恐れが発生しやすい作業の場合、液体酸素と液体窒素を1:4に混ぜた液体空気を使用することがあります。

液体窒素(無色透明)の沸点は約-196℃、液体酸素(青色透明)は約-183℃で、液体空気(淡青透明)は約-190℃です。

液体窒素と液体酸素を混合したものを凍結施工に使用した場合、液体酸素よりも沸点の温度が低い液体窒素がより気化しやすいのです。

そのため、大量に気化したガスが発生しやすい大口径や給湯管の場合は、凍結容器の中の液化(ガス)の色が徐々に青くなっていきます。

青くなるということは液体酸素の濃度が上がるということを意味します。

ここでは凍結容器の液体空気が徐々に青くなっていく様(酸素濃度が上昇する)をご覧いただきます。

配管はSGP100A、配管内の流れを止めてしまうと、凍ってしまうので、今回はあえて管内の水を1時間流しながら、凍結施工を行いました。

その結果、凍結容器内の液体空気は徐々に青みがかり、酸素濃度の比率が高くなるのが分かりました。

そこで、凍結容器に入れた液体酸素、1時間施工を行った後の(酸素濃度が上昇した)液体空気、液体窒素、液体空気に火気を近づけてみました。

液体酸素に火気を近づけると、凍結容器は激しく燃え上がりました。

次に1時間施工を行った後の(酸素濃度が上昇した)液体空気に火気を近づけてみると、液体酸素同様、激しく燃え上がりました。

液体窒素ではほとんど燃えることはありませんでした。

また液体空気でもほとんど燃えませんでした。

 

 

酸素は支燃性( 可燃性物質の燃焼を助ける性質)があるため、一般的に酸素濃度が高い環境では火気厳禁です。

凍結施工現場では、溶接の火花等、火気があっても珍しいことではありません。

発泡スチロール(ポリスチレン)は石油化学製品であるため、非常に燃えやすい素材です。

酸素、火気、発泡スチロールとのコラボレーションで非常によく燃えました。

酸欠対策として液体空気を使用することはよい反面、火気対策を十分に考慮した施工が必要になります。

 

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